特別な石・・・・カイヤナイトのリング(2)

特別な石・・・・カイヤナイトのリング(2)
不思議でしたが、石が台座にぴったりくっついていて、離れようとしないので、私もどうしようもありませんでした。

「これでは接着剤で止めることもできない・・・でも、こんなにビタッとくっついているし・・・さっきまでカタカタ動いていたのに・・・・どうしたらいいの?」
不思議な出来事にしばらく、茫然とし、どうしようかと思い悩みました。

「そのうちまたカタカタはずれるかもしれない」という心配はありましたが、結局、どうすることもできないので、仕方なく爪をまた閉じました。

そして、どうも、私がこの石に触れていると、石が動かなくなるようだなと思いました。
まったく理不尽な考えですが・・・・

でも状況はそうでした。
実はそれは厳密にいえば、以前にも感じていたことですが、「石が動いたり、動かなくなったり・・・そんなの気のせい」だとタカをくくっていました。

そしてご注文時、発送時にしっかり検品しましたが、石はしっかり固定されていて動いたりなどしなかったので、お客様に送ってしまったのでした。


結局私は、爪を開いても、このカイヤナイトを接着剤で固定することができなかったので、この石をまた送った場合、同じようにまたそのお客様の元でカタカタ言うかもしれないと思いました。
それで、残念でしたが、お客様には、
「爪を開いていじっているときに、石が割れましたので、他の石で新しくリングを作ってお送りいたします」とメールしました。

このカイヤナイトを注文くださった、そのお客様は、石に大変造詣が深いかたのようでした。天然石についてもとても詳しい上に、
「石には意思があります」(シャレではありません)
とメールを下さったり、そのカイヤナイトをとても気に入ってくださっているようでした。

それで、私も、お客様にそのカイヤナイトを諦めてもらうために
「割れた」というしかありませんでした。
傷がついた、くらいではその石を諦めてくれないような気がしたのです。

(続く)